初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
「・・・・ん・・・・」
あたしの腕をつかんでいたさとるの手が
突然緩んだ


苦しそうに胸を押さえている

「さとる!?」
あたしの呼びかけにも答えない



「さとる!?さとる!!!
ねぇ!どうしたの!?」




あまりにも不安になって
今度はあたしが
さとるの身体を抱きしめた



苦しそうに呼吸をする
さとるの背中をさする



どうしよう・・・
まさか



さとるも
まもるさんみたいにあたしを置いてくの!?



お願い!
神様!



たすけて!
さとるを助けて!!












ねぇ
神様
あの時、叶った願いは
あたしの願いですか?
それとも・・・・
さとるの願いですか?


< 69 / 83 >

この作品をシェア

pagetop