初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
最後の時は
それから2日後のことだった



一度も意識を取り戻すことなく
天国へ行ってしまったまもるさん




家族の人たちが
最後のお別れをしたあと


さとるさんに連れられて
まもるさんの眠る
誰もいない病室へ入った




まもるさんの身体には
機械はついてなかった



こうやって見ると
眠ってるみたいだ


死んでるなんて・・・
嘘みたい



ベットに近づくと
今にも口を開きそうなまもるさんが眠っている・・・
永遠の眠り・・・・






でも
『優香ちゃん』って
今にも聞こえてきそうだった




「まもる!優香が来たよ」
返事のないまもるさんに
さとるがわざと元気な声で言った




無理に笑ってるのが感じ取れた・・・・





『ありがとう・・・さとる』



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