初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
またね
「おばあちゃん、あたし何も出来なかったけど
また来てもイイかな?」

2人での
最後のお昼ごはんの用意をしてるおばちゃんに
あたしは申し訳なさそうに言った


「何言ってるの、楽しかったわよ
またいつでもおいで」


この夏の出来事は
おばあちゃんには何も言ってない


けど
あたしの落ち込みに
『何か』あったんだろうと・・・


ちゃんと気づいてるようだった・・・






結局・・・
手伝いらしきことは出来なかったような気がする



それでも『ありがとう』って
おばあちゃんは言ってくれた




ご飯の用意が出来るまで
あたしはもう一度部屋に戻って
あの箱の前に座った・・・


膝を抱えて
4人で写る写真に目を落とす



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