second story
「はい、これ景品」

「わざわざありがとー。じゃああたし、戻るね」

「あの…」

「??」

回れ右をしたあたしを木下くんが呼び止める。

「…俺、高崎の事が好きなんだ。よかったら付き合ってほしい」

突然の告白。頭が真っ白になる

「え、えっと…ごめんなさい、あたし付き合ってる人が」

「知ってる。でも記憶喪失になってからはその人の事覚えてないんだろ?

こういう事言うのも何だけど、俺なら高崎の事…」

「…ないで」

「え?」

「知ったような事言わないで!木下くんに何が分かるの?

あの人は記憶がないあたしでも大好きだよって言ってくれた。1人だけ忘れられて、誰より辛いはずなのに…

あたしにはあの人が必要なの!」

「……」

「ご、ごめんなさい。でも気持ち伝えてくれて、ありがとう」

「こっちこそ…ごめん。

彼氏と幸せにな」

去っていく木下くんを見てあたしは胸が傷んだ。

あたし、本当にナオキさんのこと…

「あの…」

物陰からゆっくり人が現れる。そこにいたのは…
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