顔の知らない大好きな貴方へ

次の日。雨が降った。ただの夕立だと思ってたのにその雨はなかなかやまない。朝から降ってるのに、午前九時をまわった今でもふっていて、逆に朝より強くなった気がする。


私はいつも自転車登校だから、自転車にのりながら傘を刺すことは禁止されている。なので私はいつも雨の日はくっそ暑いウィンドブレイカーを着用する。


夏のこの暑さにただでさえ耐え切れないのに、ウィンドブレイカーを着なければならないなんて。。。と雨をうらんだりもする。



「ぁーーーっち!」



私は汗なのか雨なのか分からないくらいびしょぬれになって学校に無事登校した。



「蘭ー!おっつかれーい!」


あいかわらず元気すぎる鏡 悠里はまるで今雨降ってたことを疑ってしまうくらいぬれていなかった。


「え?悠里。なんでぬれてないの?まさか、瞬間移動してきた?」


「うん。そうなんだよー。こう、びゅーんってとんできたーー・・・なわけあるか!」



うん。さすが。悠里のノリツッコミはもはや才能といえるだろう。



「んで。ほんとの事いってー。」


「車できぁしたーーーーー!」



「うっわ。ずるー。」



「んだって私、乙女ですもん!きゃはっ!」



キーンコーンカーンコーン



「やば!HR始まる!いそげ!」


「ぁー、まってまだびしょぬれ!」



私はぬれた制服をタオルでごしごしと拭きながら先に教室に全力疾走で向かう悠里に必死についていった。




今日は忙しい朝だ。





< 13 / 50 >

この作品をシェア

pagetop