顔の知らない大好きな貴方へ
「友達って名前なんてゆーの?」
ただなんとなくだった。会話と会話をつなぐための手段。
名前を聞いたってどうにもならないのに、なぜか私は「友達」の名前を聞いてしまった。
「雄二。高原雄二。」
吉田君はそういってまた下を向いた。
「ゆうじー?」
名前を聞いてもあまりピンとはこなかったが、吉田君の友達という言葉から想像すると、オタク仲間かなんかなんだろう。そんな気がした。
「吉田君!吉田君!雄二君とはなんで仲いいの?」
「え。だって・・・。心が、きれいだから。」
「心が?」
あ、じゃあ別にオタク仲間ではないんだ。
ちょっと意外。
でも心がキレイって思われる人、すごく尊敬する。
だってなかなかいないもん。そんな人。
吉田君はちょっと前髪をいじりながら照れ笑いした。