顔の知らない大好きな貴方へ
「あいついないと、静かだね。」

あいつってのは拓のこと。確かにあいついないと静かになった。

「あの。なんてゆーか。えっと。性格全然違うよね。雄二と拓」

「んーまぁね。俺見た目によらず優しいからねー」


確かに。ぎらぎらひかる口ピ(口ピアス)とか赤い髪とか、外見は超派手だけど内心は超優しい。そのギャップが女子からすごくモテる理由なのかもしれない。


「雄二は彼女いないの?」


「うん。女ってさ、いみわかんねー。」


「お、おんな?」


急に低くなった雄二の声のトーン。私はその声に妙な違和感を覚えた。なんか、怖い。

「じょ、女子はみんな怖いってわけじゃー・・」


「だよね。でも許せない女がいたんだ俺。」


過去に、何かあった。そういうオーラをかもし出してる。えっと、聞いたほうがいいのかな?いや、まてよ。こういうのは聞いちゃいけないよね。私ずっと雄二の事優しくてなんでも受け入れて嫌な事だって笑顔でやって・・・っていうイメージだったけど、なんか、色々悩んでそう。私全然雄二のこと知らないかも。




「わ、私。」


そういいかけたとき


「わり。おそくなったわ」


拓がスマホをいじりながら帰ってきた。



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