顔の知らない大好きな貴方へ
「ご、ごめん。トイレこんでて。」


トイレなんていってないしめちゃくちゃすいてたけど、顔の赤らみを消す時間が結構かかってそういう嘘をついた。



「おせーよ。」

と笑う拓と


「おそかったね」


とほほえむ雄二。


二人ともさっきより表情が暗かった。んー。気のせいかな?


「ぁー。んじゃ、俺帰るわ」


がたん。拓はそういって席をたちあがった。え?


「ちょ!どうしたの急に。今日は一日中暇だって叫んでたじゃん!!!」


「ちょーっと用事できたんだよ。後は二人でたのしめ!」


「用事って・・・」


「んじゃな」


なんかあったのかな?まぁ、しょーがないっか。・・・でもさっきぺらぺら喋りすぎたから雄二と二人きりになるのはちょっときまずい。っていうかかなりきまずい。



「えっと」


なに話そうかな?んーここはあえて話をかえて楽しかった映画について語るべき?それともさっきの話にもどして雄二の過去をさぐるべき?



んああああああああああああ!!!わかんない!こういうときって全国の女子はどうしてるんだろうか?



「らぁーん!」


「え?」


「店でて散歩しよー!」


「ぁ、うん」



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