顔の知らない大好きな貴方へ
「ちょっと会計してくるから外いてねー!」


「あ、ありがと」


うゎあああ。目あわせらんない。どしよ。んんん。助けてほしい切実に。うん

そうぶつぶついいながら私はいつものようにブログをチェックする。シンのブログを開くとやっぱり落ち着く。

雲と雲の隙間から顔をだす美しい虹。雨上がりかえるが気の枝に捕まって、雨の雫が葉っぱについてぽたぽたと地面におちる様子をじっと見ている。なんともかわいらしい写真が何枚も張ってあった。



そして、ブログ記事には、決まって「今日も君にとって
いい一日であることを祈って」

の文字。



貴方にとって「君」はだれですか?貴方はだれの幸せを毎日願っているのですか?


聞きたくてたまらないけど、きけない、このもどかしさ。


胸がきゅーんってしては、サイダーのようにしゅわしゅわっと消えていく。


高校生の気持ちなんてそんなもん。



この人かっこいいなーとかきになるなーなんて思うのはよくある。


イケメン探しなんていって、話したこともない男子に「あ、この人イケメンじゃない?」


なんて顔の評価したりする。


友達も「ああ!イケメンだよね!」


なんていって二人の気が合うとさらに楽しくなる。だから恋愛というより「きになる」っていう気持ちのほうが多く高校生は経験するんじゃないかな?



たくさんいる「きになる」からどんどんしぼられていってやっと見つけた「好きな人」はどんなに特別な人なんだろう。考えただけでも心があったかくなる。







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