顔の知らない大好きな貴方へ
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「あーんめぇ。んめぇ。蘭も食えよ。」


腹へってない。


「おー。すっげーでけぇなこの肉。やべぇよ。まじで。」


あー、そうですか!


「・・・おまえ、なんかあった?」



「ええ!!!」


ああ、しまった。


声が漏れてしまった。

「あー、なんかあったのかー。へー。」



私は、公園から変える帰り道、スポーツジムから帰ってくる途中だった拓とばったり合流し最近できたと有名な焼肉屋さんの特大のやきにくをほおばっている・・・・。


「・・・気になんないの?私、なんかあったよ?」


「きかねーよ。ばーか。聞かれたくねーんだろ?ほら」


そういって渡されたのは、

「なにこれ」



「俺様のパワーストーン」



エメラルドグリーンがまぶしく光るターコイズのブレスレット。



いかにも「高いです」とでも書いてあるようなキラキラひかるブレスレットは、私の手のひらで輝いていた。



「うわー。キレイ。」



「これな。元気になる魔法の石らしーぜ。ま、元気だせ。」




「あ、ありがとう」




めずらしい・・・な。



いつもおこってばっかりなのに、なんか・・変なの。
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