顔の知らない大好きな貴方へ
「あいつさー。雄二。結構悲惨な恋愛ばっかしてんだぜ。つれーよな。まじで。」


「え?ぁぁ、う。うん」


夕焼けの空。ジョギングするおじさん。散歩してるお姉さん。会社おわりげっそりしながら夕焼けが映っている川を眺めながら乱れたスーツを直しているサラリーマン。学校帰り楽しそうに芸能人の話題で楽しむ小学生。



みんな悲しかったり、楽しかったり、嬉しかったり、辛かったり。



今日みんな一日どうでしたか?楽しかったですか?笑えましたか?


「今日も君にとっていい一日であることを祈って」



「は?」


「あ、あぁ、ごめん。えっと。なんでもない。」



ふと「シン」のあの言葉を思い出して口に出してしまった。




「「今日も君にとっていい一日であることを祈って」」


シン・・・。貴方も今、こんな気持ちなのかな?



「君は、いつでも幸せだ。」


「え?」


「君は、俺が祈らなくてもいつも笑っているだろう。」



「ひ、拓?」



「なぁーんてな。」



拓はそういうとふっと笑って一瞬さびしそうな顔をした。



「拓・・君って?」



「ん?」



「今、「君は、いつでも幸せだ。」っていったでしょ?君って?誰の事いってるの?」










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