砂漠の舟 ―狂王の花嫁―(第二部)
(4)愛の言霊
「サ、サクル……さ、ま?」
リーンは半信半疑で上半身を起こし、サクルの姿を見ようとした。
そのために身体を離そうとしたが……。
「ダメだ。私から離れることは許さん」
背後から腕を回され、抱きすくめられる。体内に打ち込まれた熱情に猛った楔はそう簡単には抜けそうにない。
リーンは諦め、上半身を捻ってサクルの顔を探した。
闇の中、襟足の長い美しい金色の髪が揺れ、黄金の瞳が見下ろしている。その類稀なる麗しき容姿はリーンの夫に間違いなかった。
「サクルさま……サクルさま……」
リーンは繋がったまま必死でサクルを求め、唇を重ねる。
焼けた砂の匂い、灼熱の砂漠を思わせる香りがリーンの鼻腔いっぱいに広がった。縋りつくように口づけを繰り返し、サクルも応じてくれた。
「本当に、本物のサクルさまなのですね……夢ではありませんよね? わたし……わたしは」
「お前の身体を他の男に与えるはずがあるまい。――よかろう。夢ではない証拠を見せよう」
「……え? あの……」
手首を縛っていた紐がスルリと解け、自由になったと同時にリーンは身体を返され、仰向けに押し倒された。
リーンは半信半疑で上半身を起こし、サクルの姿を見ようとした。
そのために身体を離そうとしたが……。
「ダメだ。私から離れることは許さん」
背後から腕を回され、抱きすくめられる。体内に打ち込まれた熱情に猛った楔はそう簡単には抜けそうにない。
リーンは諦め、上半身を捻ってサクルの顔を探した。
闇の中、襟足の長い美しい金色の髪が揺れ、黄金の瞳が見下ろしている。その類稀なる麗しき容姿はリーンの夫に間違いなかった。
「サクルさま……サクルさま……」
リーンは繋がったまま必死でサクルを求め、唇を重ねる。
焼けた砂の匂い、灼熱の砂漠を思わせる香りがリーンの鼻腔いっぱいに広がった。縋りつくように口づけを繰り返し、サクルも応じてくれた。
「本当に、本物のサクルさまなのですね……夢ではありませんよね? わたし……わたしは」
「お前の身体を他の男に与えるはずがあるまい。――よかろう。夢ではない証拠を見せよう」
「……え? あの……」
手首を縛っていた紐がスルリと解け、自由になったと同時にリーンは身体を返され、仰向けに押し倒された。