砂漠の舟 ―狂王の花嫁―(第二部)
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スワイドは奇声を上げ、シャーヒーンに斬りかかる。
しかし、それより早くシャーヒーンの身体が光り輝いた。衣服が裂け、肌が露わになる。その姿はとても美しく、リーンには女神(イラーハ)のように見えた。
左右に伸ばした腕がさらに広がり、純白の髪と相まって、どこまでが髪で、どこまでが腕なのかわからなくなる。
光はどんどん大きくなり、リーンは目を閉じかけた。
スワイドもシャーヒーンに近寄れないようだ。
眩しさが頂点に達し、光が弱まりかけたとき、はためく翼の音がリーンの耳に届いた。
それは一旦、遠ざかり、速さを増しながら近づいてくる。
力強い翼の音を間近に聞いた瞬間、
「う、うわぁっ!」
スワイドは悲鳴を上げ、その身体は宙に浮いていた。
そのまま、いつものシャーヒーンが飛んでいる高さから落とされたら、間違いなくスワイドは即死だ。
「待って! シャーヒーン、お願い、殺さないで!」
サクルに叱られることを承知で、リーンは叫んでいた。
すると、シャーヒーンは少し振り返ったような仕草を見せ、低空飛行で宮殿を囲む塀を越えてすぐ、スワイドを離す。
情けない声を上げながら、スワイドは落下した。
スワイドは奇声を上げ、シャーヒーンに斬りかかる。
しかし、それより早くシャーヒーンの身体が光り輝いた。衣服が裂け、肌が露わになる。その姿はとても美しく、リーンには女神(イラーハ)のように見えた。
左右に伸ばした腕がさらに広がり、純白の髪と相まって、どこまでが髪で、どこまでが腕なのかわからなくなる。
光はどんどん大きくなり、リーンは目を閉じかけた。
スワイドもシャーヒーンに近寄れないようだ。
眩しさが頂点に達し、光が弱まりかけたとき、はためく翼の音がリーンの耳に届いた。
それは一旦、遠ざかり、速さを増しながら近づいてくる。
力強い翼の音を間近に聞いた瞬間、
「う、うわぁっ!」
スワイドは悲鳴を上げ、その身体は宙に浮いていた。
そのまま、いつものシャーヒーンが飛んでいる高さから落とされたら、間違いなくスワイドは即死だ。
「待って! シャーヒーン、お願い、殺さないで!」
サクルに叱られることを承知で、リーンは叫んでいた。
すると、シャーヒーンは少し振り返ったような仕草を見せ、低空飛行で宮殿を囲む塀を越えてすぐ、スワイドを離す。
情けない声を上げながら、スワイドは落下した。