砂漠の舟 ―狂王の花嫁―(第二部)
「リーン、余計なことは考えるな」

「わかって……おります。でも……」


破かれた服を身に纏ったまま、リーンはサクルに躰を割られた。奥深くにサクルが滑り込んでくる。熱はジワジワと広がり、リーンから考える力を奪った。

仰向きのまま、絨毯の上でサクルはリーンの身体を激しく揺さぶる。深い部分を刺激されて断続的にリーンは喘ぎ声が漏れ……。そうかと思えば、サクルはゆっくりと引き抜き、またゆっくりと挿し込むのだ。

その焦らすような動きに、リーンの心の中はサクルからもたらされる快感だけになっていった。 


リーンはぎゅっと太ももやふくらはぎに力を入れ、絶頂に達する。

切なげな声が喉の奥から零れ、サクルの腕を力いっぱい掴んでいた。


波が引き、リーンの呼吸が治まった瞬間――ぐいっとサクル腰を突き上げてきた。


「あ! やぁんんっ」

「お前はイッたようだが、私はまだだ。経験の少ないお前に合わせて早めに済ませていたが……今宵は激しくしてもよいのだろう? もっと、楽しませてもらうぞ」

「それは……それは、サクルさま……あぁっ!」


言葉どおり、サクルはリーンのぼろきれと化した衣装を力尽くで剥ぎ取る。


下腹部が繋がったまま、リーンは大きく脚を開かされた。


「サ、サクルさま……お許しください」


部屋の中はふたりきり、とはいえ、やはり恥ずかしい。

すると、サクルも白い夜着を脱ぎ捨て裸になった。逞しく、美しい胸元が目に飛び込んでくる。


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