砂漠の舟 ―狂王の花嫁―(第二部)
シャーヒーンの問い掛けに、アミーンは弾かれたように閉じかけた目を開いた。


「醜いなんて! 私は、あなたほど美しい女性を知らない。透き通るような肌も、白い髪も、あまりにも神々しくて……。神の化身を穢すようで……クッ!」


その躊躇いを含んだ熱いまなざしに、シャーヒーンは静かに微笑みかけ、同時に布地の上から彼の怒張を掴んだ。

アミーンは眉根を寄せ、唇を噛み締める。

どうやら、一度も女性に対して使ったことのない場所らしい。二、三度撫で擦ったあと、アミーンの額に汗が流れたのを目にして、シャーヒーンは手を離した。


「……あっ……」


小さくこぼした吐息に、残念さが覗える。

シャーヒーンの誘惑から逃れようとしながら、彼の身体はすでに期待を示していた。


――大丈夫、大丈夫よ。安心して……あなたはなんの罪も犯さない。


アミーンの脚を開かせ、その間に腰を下ろすと下穿きの腰紐に手を掛けた。ほどきながら、焦らすように下腹部をまさぐる。


「うっ……くうぅ」


堪えようとしても、うめき声が口から漏れてしまうらしい。

アミーンは悔しそうに顔を歪めるが、それすらも愛しく感じる。シャーヒーンは膝立ちで再び唇を重ねた。

今度は重ねるだけではなく、強く押し当て、固く閉じた唇を舌先で割り込んだ。薄く開いた唇の隙間をみつけて中に差し込み、内側をゆっくりと舐め回す。

シャーヒーンの舌先が彼の舌に触れた瞬間、アミーンの身体がビクッと震えた。


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