愛を教えて ―輪廻― (第一章 奈那子編)
「わ、たし……友達と約束があるから……勝手に飲んでてください」
震える声でそれだけ言い、茜は新田を避けて逃げ出そうとした。
だが、強かに酔っている割に、新田の動きは素早く、茜の腕を掴んだのだ。
「逃げんなよ。オレさ、ホントは雅美よりお前のほうが好みなんだ。当たり前だよな、四十近いオバサンより、女子高生のほうがいいに決まってるよ。肌もスベスベだもんなぁ」
雅美は母の名前だ。
茜は母を馬鹿にされ、悔しくて言い返そうとしたが……。直後、新田は茜の腕に頬擦りしたのだ。ざらざらと男の髭が当たり、茜はその気色悪さに声を失う。
無言で触らせる茜に気をよくしたのか、新田はそのまま抱きついてきた。
「きゃっ!」
「どうせ男とヤリに行くんだろ? だったらオレとヤろうぜ。雅美とどっちが上手かな?」
太一郎に比べれば、新田はだいぶ小柄だ。それに酔っていて足元もおぼつかない。なのに、凄い力で茜を引き摺り倒そうとするのである。
そして……新田は言ったのだ。
「お前がイヤだってんなら、円(まどか)で試してみようかなぁ。中学生ってどうだろうな。雅美に言ってもいいぜ。アイツはオレに惚れてるから、絶対信じないだろうねぇ」
妹の名前を口にされ、茜は凍りついた。
震える声でそれだけ言い、茜は新田を避けて逃げ出そうとした。
だが、強かに酔っている割に、新田の動きは素早く、茜の腕を掴んだのだ。
「逃げんなよ。オレさ、ホントは雅美よりお前のほうが好みなんだ。当たり前だよな、四十近いオバサンより、女子高生のほうがいいに決まってるよ。肌もスベスベだもんなぁ」
雅美は母の名前だ。
茜は母を馬鹿にされ、悔しくて言い返そうとしたが……。直後、新田は茜の腕に頬擦りしたのだ。ざらざらと男の髭が当たり、茜はその気色悪さに声を失う。
無言で触らせる茜に気をよくしたのか、新田はそのまま抱きついてきた。
「きゃっ!」
「どうせ男とヤリに行くんだろ? だったらオレとヤろうぜ。雅美とどっちが上手かな?」
太一郎に比べれば、新田はだいぶ小柄だ。それに酔っていて足元もおぼつかない。なのに、凄い力で茜を引き摺り倒そうとするのである。
そして……新田は言ったのだ。
「お前がイヤだってんなら、円(まどか)で試してみようかなぁ。中学生ってどうだろうな。雅美に言ってもいいぜ。アイツはオレに惚れてるから、絶対信じないだろうねぇ」
妹の名前を口にされ、茜は凍りついた。