愛を教えて ―輪廻― (第一章 奈那子編)
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茜の話を聞き、太一郎は血の気が引く思いだった。
本当のことを言えば、茜の友達と同じことを太一郎は考えていた。母親に女の部分を見せられ、茜は少女らしい不快感を覚えているのだろう、と。
新田は真面目な職人にしか見えない、そう思っていた自分の見る目のなさが呪わしい。
「妹のことまで持ち出して……奴はお前を?」
橋の近く、誰も来ないビルの影に身を潜め、ふたりは話していた。
太一郎の質問に茜は首を小さく横に振り、
「お母さんと……同じことをしろって言い出して……」
彼女は消えそうな声で……口の中に男のモノを押し込まれたと告白する。
髪を掴まれ強引に口を開けさせられ……。だが、茜はやられっ放しになっている少女ではなかった。
「お、おもいきり……噛み付いてやったの……そしたら……」
刹那――茜は道の端に駆け寄り、吐き戻した。
生臭い感触と、血の匂いを思い出したのかもしれない。茜の口元を汚していた鮮血は、彼女の反抗の証であった。
茜の話を聞き、太一郎は血の気が引く思いだった。
本当のことを言えば、茜の友達と同じことを太一郎は考えていた。母親に女の部分を見せられ、茜は少女らしい不快感を覚えているのだろう、と。
新田は真面目な職人にしか見えない、そう思っていた自分の見る目のなさが呪わしい。
「妹のことまで持ち出して……奴はお前を?」
橋の近く、誰も来ないビルの影に身を潜め、ふたりは話していた。
太一郎の質問に茜は首を小さく横に振り、
「お母さんと……同じことをしろって言い出して……」
彼女は消えそうな声で……口の中に男のモノを押し込まれたと告白する。
髪を掴まれ強引に口を開けさせられ……。だが、茜はやられっ放しになっている少女ではなかった。
「お、おもいきり……噛み付いてやったの……そしたら……」
刹那――茜は道の端に駆け寄り、吐き戻した。
生臭い感触と、血の匂いを思い出したのかもしれない。茜の口元を汚していた鮮血は、彼女の反抗の証であった。