愛を教えて ―輪廻― (第一章 奈那子編)
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今夜の奈那子は何かおかしい。

膝を擦ったあと、ふくらはぎを優しく揉み解す。ところが、奈那子は脚を微妙に交差させるのだ。

太一郎の視界に真っ白い太腿が入り、気が散ってどうしようもない。


「これくらいでいいか? あんまりきつく揉むのはヤバイだろ?」

「あ、あの……太ももの付け根が痛いの。多分、お腹が大きくなってるせいだと思うんですけど……」

「付け根、を……撫でるのか?」


ネグリジェの裾を開き、太もも辺りを擦る。

だが、数ヶ月ご無沙汰の彼にはかなりの拷問だ。


「あの、もっと付け根のほうが……」

「……」


奈那子が自分でネグリジェの裾をたくし上げたとき、太一郎は気づいた。


「ちょっと待て。お前、なんで下着を穿いてないんだよ! そんなに痛いのか? サイズが合ってないんじゃねぇのか? 俺が穿かせてやるから……腹を冷やしたらどうすんだよ」


その瞬間、奈那子は身体を起こして泣くように言ったのだ。


「違います! そうじゃないんです。ごめんなさい。もう……大丈夫ですから」


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