愛を教えて ―輪廻― (第一章 奈那子編)
何かがおかしい。

トクン、と心臓が高鳴る。


「……奈那子……?」


奈那子は今日、淡いブルーのマタニティワンピースを着ていたはずだ。

それが――


(なんで……スカートが赤いんだよ)


太一郎の心臓は、みるみるうちに早鐘を打ち始めた。

最悪の予感に膝が震える。

口の中で「奈那子、奈那子」と繰り返すが……。


次の瞬間、奈那子の身体がグラッと傾いた!


「ななこーーーっ!!」


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