愛を教えて ―輪廻― (第一章 奈那子編)
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奈那子は子宮を摘出したものの、合併症を併発した。

生存確率がどんどん下がる中、太一郎の顔を見るたびに美月の様子を尋ねる。


『美月ちゃんは大丈夫かしら? ちゃんとミルクを飲んでる?』


奈那子自身も苦しいはずなのに、美月に初乳を与えるため、必死で搾乳していた。


――会わせてやりたい。


太一郎は何度もそう思った。

だがそのとき、美月は生死の境を彷徨っていた。

呼吸器を外すこともできず、小さな身体に隙間なく電極を貼られている姿など、写真に撮って見せることすらできない。


「全然問題ないよ。ただ、小さいから外に出すことができないだけなんだ。早く元気になって一緒に行こうぜ」


そう奈那子に答えた前夜、太一郎は娘の危篤を告げられ、一睡もしていなかった。

夜のうちに峠は越したものの、まだ安心はできないと言われ……病院の廊下でひとり、泣きながら夜を明かした。


そんな日々が続き、奈那子が始めて娘を腕に抱いたのは、出産から一ヶ月のこと。


そして季節が冬に向かうと同時に、奈那子の身体は弱っていき――。


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