Sweet Life〜先生と私〜
「桃華?もう出てきてもいいよ?」

そう呼び掛けると、桃華は俯きながら出てきた。

「今の見てた?」

ゆっくりと縦に首をふる桃華。

でも、顔をあげないってことは泣いてるってことだろう。

「桃華、ごめんな?」

そう言って桃華を抱き締めた。

桃華は無言で俺の胸に拳をぶつけてくる。

「桃華、分かって?俺が好きなのは桃華だけだよ?」

そう言ってさっきよりずっと強い力で抱き締めると、桃華はやっと声をあげて泣き出した。

俺はそれをただただ受けとめて、頭を撫で続けた。
< 41 / 89 >

この作品をシェア

pagetop