Sweet Life〜先生と私〜
「俺の家族は、黒田に騙されて死んだ。

平凡だったけと、仲がいいって評判だったんだ。

そんな幸せを、黒田は奪ったんだよ。」

そこまで話すと、桃華はまた泣きだしていた。

「博人、ひとりぼっちで毎日過ごしてたの?私、全然気付かなくて…」

「いいんだよ、俺が気付かれないようにしてたんだから。」

そう言っても、桃華はまだ泣き止まなかったが、俺は話を続けた。


「黒田は俺の親父の高校時代の後輩で、2人は仲がよかった。

でも、黒田が暴力団に入ってからは、お互い音信不通だった。

それが突然、黒田が泣き付いてきたことがきっかけで、2人の縁が戻ったんだ。

そう、あの時気付いていれば、みんな死なないですんだのに……」
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