ふたりのあさこ
私も食事に夢中になる。

「ほんれ(それで)話の続きだけど、どんな内容?」

「鏡の中の女性が、もう1人の私とか言い出したの。まぁ夢だからあり得ないんだけど、実際には」

私は紅茶を飲む。

「うん。それからどうなったの?」

野菜サラダをつつきながら、由香里は聞いてきた。

私はクロワッサンを一口食べながら、夢では女性から私が憧れた姿をしてると言われたと話した。

「なるほどねぇ、きっと亜沙子が気づかないうちに願望抱いているのかもね。にしても、ここのパンとサラダは美味しいね」

由香里は紅茶をつぎ足す。

「ほんと美味しいわ。ワンプレートで1000円だよ? ここは安いからいいね」

そうだねと相づちを打ち、私も紅茶を飲み干して、会計を済ませたらお店を出た。
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