─激愛─
「ピ───ッ。」







元気よくオーブンの音がキッチンに鳴り響き、私は手に持っていたお玉を鍋によりそらせ駆け寄る。








小さい頃に両親が死んでしまった私にとって、料理はお母さんとの唯一の思い出だった。








今私がこうして料理を出来るのも、小さい頃にお母さんと一緒に作っていたご飯のおかげだった。








─────まあ、覚えてるのが奇跡に近いんだけど…。








口元を少し緩めて一人で笑いながらもあらただしく食器棚を開けてお皿を手にする。
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