IZIME
「あれ~、姫乃たんったらウチの名前知ってたんだぁ~」
意外だなぁ~、と留美は
コテで巻いたであろう茶髪を
クルクルと指先で弄る
「ってかぁ、マジでいいのぉ?千絵たん」
「えぇ。構わないわよ」
ふうん、と言うと留美は
沢山のストラップがぶら下がる
ピンクの携帯を取り出し
―プルルルルルッ
誰かに電話を掛けはじめた
「あ、もしもしぃ?留美たんだよぉ。…今?2組だよぉ。…えぇ?4人も来りゅの?んま~、いいんじゃにゃい?…うん、じゃ待ってりゅ~」
会話が終了したらしく
留美はパチンッと携帯を閉じた
「ねぇ…何4人って…!?」
何だか嫌な予感がした
「うるさいにゃ~、すぐにわかるよぉ」
留美がそう言うと
バタバタと複数の足音が聞こえてきた