あの時とこれからの日常
「屋上じゃないかしら。私が黒崎君に報告しておくからって言ってなだめたら、よろしくお願いします!!って言って後同じ剣幕で休憩行ってきます!!!って言って出て行ったから」

まったく、医局内総引きよ

あのあと園田たちの動きが回復するまでに少々時間を要した

「ご迷惑おかけしました。何分不器用な姫ですからね」

その時のしるふの姿が目に浮かぶのだろう、海斗が笑いながらも畏まって少し頭を下げる

「本当よー、あの禿げ頭、今度来たら残りの毛引っこ抜いてやろうかしら」

神宮寺の言葉に飯田と、海斗が「それ立花が喜びますよ」という言葉とともに笑う

「じゃあ、休憩がてら姫君の機嫌を直してきます」

そう言い置いて処置室を出ていく海斗の背を飯田とともに見送った



イライラはカルシウム不足だって言うけど、どんなに足りていたって嫌なことがあったら頭に来るものだ

ちゅー、と勢いよくいちごミルクをすする

怒りにまかせてすったためか、じゅー、と空気の混ざる音がしてあっさりとなくなってしまう

はあ、とふくれ面で息をつくしるふの頭上には、空気の読めない青空が広がっている

あのくそじじい、今度お目にかかったらぶっ叩いてやる

「しるふ」

そう心に誓うしるふの背に落ち着いた声がかかる

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