あの時とこれからの日常
海斗のまったく取り合わない態度に

「ねえ、莉彩。前言撤回。やっぱ飲み行こう。愚痴たくさんあるわ」

再び莉彩に向き直る

「あー、はいはい。おごってくれるなら行ってやってもいいけど?」

「む…、莉彩って飲兵衛だからな。結構高くつくのよね」

料金の7割は莉彩分と言っても過言ではないかも知れない

「だから聞いてやるって言ってるのに」

横から海斗があきれた口調で見下ろしてくる

「聞いてやるって言い方からして上から目線だわー、全然自分への愚痴だって自覚ないでしょ」

「さあ、どうかな」

肩をすくめる海斗とその横でじっとりと海斗を睨むしるふを

ナースステーションの内側から眺める莉彩は、

ふ、と息をつきつつ、こういう落ち着き方もありなのかもしれない

と一人ごちるのだった








そんなこんなのバレンタイン 完
< 195 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop