あの時とこれからの日常
的確な答えを返してくる聖

医療の知識がそこまであるわけではない聖に状況がどのくらい思わしくないのかを判断することはできない

ふっと一瞬瞳を細めた海斗は

「悪い、少し外す」

と信次に短くいうと席を立ち小走りに会議室を出ていこうとする

その背に

「戻ってこなくていいからな」

信次が落ち着いた声音を放つ

「…わかった」

会議室のドアに手をかけた状態で頷き、すっと姿を消す


「…さて、心配だろうが、続きをやるか」

会議室全体の雰囲気が落ち着くのを待って、信次が息をつく

ER医局長の神宮寺が心配そうに出入り口の方を見ているのを見て、

さっさと終わらせるか、と苦笑する



窓の外はうっすらと白く雪が積もっていた
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