あの時とこれからの日常
「どうひねくれなくったって浮気よ!!私が祈と一緒に声かけようとしたのに!!」

なのにその人の方がちょっと近くにいたからって私の声に気がつかないとか浮気だわ!!!

……んなむちゃくちゃな…

「ばか、あんまり大きい声出すな。そんなことしてると祈が―」

「…っあ」

言ったとたん、祈の抗議と批判めいた泣き声がリビングいっぱいに響き渡る

「あー、ほら」

言わんこっちゃない

「……面目ない」

リビングの一角に置かれているベビーベッドに近寄り、寝かされていた祈を抱き上げる海斗の背に思わずつぶやく

ぽんぽんと優しく祈の背を叩きながらあやす海斗を見ながら、ふっと息をつく

わかってる

本当はわかってるんだけど、時々そばに居られないことがすごく不安になる

ダメだなと思うけれど、だからって早々割り切れるほど自分人間出来ていない

「いーちゃん、ごめんごめん、私が悪かった」

よしっと気合を入れてから海斗と祈に近づいてその小さなほほを撫でる

そっと優しく涙をぬぐってあげるけれど、祈は少しご機嫌斜めのようでふいっと顔をそらしてしまう

「いーちゃん、大丈夫だよ?パパとママ喧嘩なんてしてないから」



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