あの時とこれからの日常
「あーも、私からしるふを取るとか10年早いわ」

でも、あの海斗ならそうも言えないところが無性に腹立つ莉彩である

むすっと頬杖を突く莉彩に、しるふがそっと苦笑する

「で、しるふのため息の原因は、黒崎先生のなんなのよ」

ずれにずれた話題を修正する莉彩の一言

「いやー、なんか温度差あるなーと。私ばっかり好きみたいでさ」

海斗の反応に一喜一憂する自分が居る

そして海斗が本当に自分を想っていてくれてるのかもわからなくなっている

「なんて初心な発言」

そしてなんて決まり文句なノロケ

「仕方ないじゃない。黒崎先生の前は大学3年生の勢いで一週間だけ付き合った彼氏なんだから」

当然、甘い記憶何て微塵もない

「は?あんたその顔でフリー期間の方が長いとか言っちゃう?」

「顔は関係ないと思うけど」

でも、その前は高校生の時に付き合った彼氏で、大学入学を機に別れたから

フリー期間の方が確実に長い

「…あんた、どれだけ鈍感で小悪魔なわけ」
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