秘めた想い〜教師の俺とお前〜
小さな二つの気持ち
朝から学校が賑やかだ。
昨日の学校とは大違い。
同じ場所とは思えない。
今から始業式が始まる。
保健の教師だって式にはでなくてはいけない。
体育館に入り、まずはアイツを探す。
いない…
殆どの生徒はもう並んでいた。
「こら!お前ら、遅いぞ。早く並べ。」
突然、男の先生が怒鳴ったので驚いて声がした方を見た。
アイツ‥
そこには、水川とその友達が怒られていた。
何やってんだよ(笑)
水川たちは、急いで自分たちのクラスに並んだ。
すると、水川たちを笑って話しかけている1人の男子生徒に目がついた。
水川も楽しそうに話していた。
何か、イヤだ。
俺以外に楽しそうに話しするなよ。
俺の方を全然むかないで‥俺に気付いてくれ…
俺だけを見てくれ……
すると、
「おぃ!そこ、うるさいしぞ!!」
またさっきの先生が怒鳴った。
また、お前か…
でも、嬉しかった。
これ以上、あの姿を見ていたくなかったから。
先生に感謝だ。
そして、ようやく気付いたのか水川は俺と目が合った。
ちょっと意地悪してやろう‥
俺は口パクで
─ バ〜カ ─
と言って、一瞬微笑んで目を逸らしてやった。