秘めた想い〜教師の俺とお前〜
『なぁ〜、ところで唐揚げは?』
俺は、子供のように聞いてみた。
水川は一瞬考えて、思い出したかのように
「…お弁当!!」
と言った。
『そうだ。俺は唐揚げが大好きなんだ。』
俺は、子供か‥
案の定、水川は俺を見て笑った。
「クスクス..♪」
『何笑ってんだよ。』
「‥あはははは♪ 先生、かわいい♪♪」
『お前、うるさい』
俺の顔‥きっとまた真っ赤だな……。
俺は、恥ずかしさのあまり水川に背をむけた。
「先生♪ごめんね? 今度たくさん作ってくるから!」
水川は子供をあやすように俺に言ってきた。
笑っている水川には悔しいが、唐揚げをたくさん作ってきてくれることが嬉しくて、笑顔で振り返った。
情けない………
そして、俺は良いことを思いついた。
『たくさん作ってこいよ! その代わり、夏は終わっちまったけど海連れて行ってやるよ』
海に誘った。
水川はさっきの顔とは違い泣きそうな顔で、
「先生‥ありがとう」
と俺に言った。
そんなに嬉しいのか?
俺は、照れ隠しで
『弁当のお礼だ。』
なんて口実をつけた。
「うん!」
水川は嬉しそうに俺を見る…
水川‥ごめんな…
俺の気持ち言えなくて……