gardenquartz 小さな楽園
程無くして、キャットと修利は崩れた洞窟に辿り着いた。
まだ、そんなに時間が経ってないので、砂煙が少し宙に舞っていた。


『これは……。一体なんだ?』
修利は思わず口に出してしまった。


キャットは用心深く修利に言った。

『修利。回りを見張ってて。私が調べる。』

修利は言われた通り、銃を構えて洞窟を背に辺りを警戒した。

キャットは静かに崩れた洞窟に近付き、調べた。
洞窟を塞いだ岩は思っていた以上に多く、爆発音より遥かに威力を発揮していた。
キャットはこんな事が出来る人物を知っている。

ベラだ!!

そして、この爆発はTwinsと鉢合わせしたか、待ち受けていたかによって、予め仕掛けておいたものに違いない。
すると……、ベラはもう………。
そして…恐らくジェシーも一緒だった筈…。


キャットの顔が青くなり、岩を素手で退けようとしていた。


修利はキャットが急におかしな行動を取ったので、走って、キャットの脇を両手で掴んだ。

キャットは修利を突き飛ばし、尚も岩を退けようとしている。指先から出血している。
岩に血が落ちて滲んでいる。


修利はキャットの腕を掴み振り向かせ、思いっ切り頬を叩き言った。

『確りしろよ!!一体何が起こったのかちゃんと説明してくれよ!!』


キャットは目がチカチカして、やっと正気になった…。
修利はキャットの腕を掴んだまま離さなかった。


キャットの目から涙が溢れて頬を伝った。
修利はユックリキャットの腕を離した。
そして、静かに口を開いた。

『これをしたのはベラよ。恐らくTwinsと殺り合ったに違いない。そして、ジェシーも一緒だったと思う。2人でTwinsを倒せる筈なんて無茶よ…。』


修利はキャット達が何故そんなにTwinsに拘るのか聞いた。
キャットは涙を拭おうともせずに淡々と答えた。

『Twinsは私達と同じ人工的に造られた人間なのよ。
只、違うのは、奴等は実験的に脳内のある部分を弄られて、人を殺すことや、破壊することについての感情がスッポリ抜け落ちてしまったの。
彼奴等に私達の仲間を無惨な姿にされて殺されたの。それでも、奴等には何の感情も無いの…。
只、遊び道具を壊したくらいにしか思っていなかったの。
そして、あの兄妹を買ったのがジョナサン・バンクだったのよ。』


キャットはその場にへたり込んでしまった。
修利はこの事を早く和樹達に知らせたかった。


修利は回りをぐるりと見回して、途方にくれた。






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