gardenquartz 小さな楽園

マリアは走りながらカメラの位置を正確に見つけ握っていた石つぶてで破壊していった。

和樹はその、コントロールと破壊力に驚いた。

【コイツもマトモな人間じゃない。】


マリアは和樹の心の言葉を感じ取ったかの様に言った。

『私は一応人間よ。
この身体能力を買われて、私の細胞から人工的に造られたのがアーサーとマーニーなの。
でも、殺人ロボットみたいな扱いを受けていたとは最近まで知らなかった。

私から造られたなら、私が始末しなければならないと思って、この島に居ることを突き止めて、浸入したの。

ジョナサンに見つかりたくなくて、こうしてカメラを壊しながらTwinsを捜していたのよ。』


そう言って、淋しそうな顔をして口の端を上げた…。
その表情は本当に悲しげで、和樹は何も言えなくなってしまった…。



和樹は祈った。キャットがまだアーサーに接触していないことを…。


息が上がってきた。
和樹はマリアをチラリと見た。
全く息が乱れていない!!


こんなのがこの世に何人も居たら…。
そして、それが売買され、兵器に使われていたとしたら…。


和樹は自分のコピーを想像した。
変な気持ちになった…。


マリアは和樹に言った。
『私は先回りして、ジョナサンのカメラを壊してから合流します。それじゃあ後で。』


そう言うと、マリアは和樹から離れて森に消えた。



碧さん達がマリアを見たら、何も言わず、発砲してしまう。
マリアより早く碧さん達と合流しなければ。

和樹は限界までスピードを上げた…。







< 131 / 184 >

この作品をシェア

pagetop