gardenquartz 小さな楽園
和樹は話を続けた。
『マリアから全部聞いたよ。お前とマーニーがマリアのクローンだってな。』
アーサーが初めて眉間にシワを寄せて和樹を睨みながら言った。
『そうさ。俺とマーニーはマリアの細胞から造られたクローンだ。しかし、それが何だ?
紛い物ではない!!俺やマーニーはオリジナルのマリアより優れていると皆が言った。
俺たちの方がオリジナルより褒め称えられたんだ!!』
『それは違うわ。』
声が何処からともなく聞こえた。
その声にアーサーは辺りを見回した。
スッとアーサーの首にワイヤーが引っ掛かると同時にマリアがアーサーの背後に上から降りてきた。
マリアはアーサーの首に巻き付いたワイヤーに少しずつ力を入れた。
アーサーはもがいて、ワイヤーを外そうとしながら叫んだ。
『お前を殺せば、俺がオリジナルになるんだ。俺やマーニーはオリジナルのお前の存在が疎ましかった!』
マリアは力を緩めず、和樹に言った。
『来るのが遅くなってしまった。ごめんなさい。そこのお嬢さんは大丈夫?』
碧木とキャットは目を疑った。
マーニーにそっくりの姿形をしていたからだ。
マーニーが大人になったらこうなるだろうと思う様な外見…。
碧木がやっと答えた。
『出血が酷い。』
修利は和樹に聞いた。
『これはどう言うことなんだ?』
和樹は答えた。
『言った通りさ。アーサーとマーニーはマリアから造られたクローンだったのさ。
キャット達は試験管ベビーだが、アーサー達はクローンだったのさ…。』
和樹は哀れんだ目でアーサーを見た。
その目を見たアーサーはワイヤーの食い込んだ首をもがきながら叫んだ。
『そんな目で見るな!!俺達はオリジナルより優れているんだ!!』
マリアが静かに言った。
『そうね…。あなた達はそう言い聞かせられて育てられ、持て囃された。
実験は成功と言われたわ。でもね…。それは間違いなのよ。
もう、疲れたでしょう?眠りなさい…。私が一緒に付いているから。私に還りなさい。』
アーサーはもがくのを止めた。
ソッと手を離し、持っていた剣で自分の腹部をマリアごと貫いた。
『マリア!!』
和樹は叫んだ。
『いいの!!これでいいの!!』
マリアが叫んだ。
アーサーは初めて、安らぎを知った穏やかな声でマリアに言った。
『マーニーが死んだんだ。僕はマーニーを見捨てたんだ。でも、何も感じなかったんだ…。
写真を見たんだ。マーニーとあんたが写っているたった1枚の写真…。
マーニーはあんたの事を知らなかったんだ…。写真を見たら、胸が痛んだ…。
あれが苦しいって言う事なのか…?』
アーサーとマリアは剣に貫かれたままユックリその場に座り込んだ…。
マリアはワイヤーを引き寄せ耳元で優しく語りかける様に言った。
『そうよ…。大切な人が死ぬとみんな、その死を悼むのよ。それが悲しみと言うものなの…。
さぁ、もう苦しまなくてすむように眠りなさい…。』
マリアはワイヤーに力を込めた。
アーサーはダラリと力が抜けた人形の様になって、動かなくなった…。
俺はマリアに近づこうとした。
『来ないで。』
マリアが俺を止めた。
マリアが俺を見て微笑んで言った。
『私達はこのままでいいの…。あなた達は本部に行って。そして、ジョナサン・バンクを倒して。お願い。
ここから真っ直ぐに行けば姿を見られずに、本部に行ける様にカメラを全て壊しておいたから…。
ごめんなさいね…。アーサー達はただ、無知だったの…。人の痛みを取り除かれた哀れな私のクローン…。
せめて私が一緒に最期まで側に居るわ…。』
俺はその場で動けなかった…。
碧木はキャットを立たせて、修利がキャットに肩を貸して、本部へ進んでいった。
マリアはもう一度笑って俺に言った。
『あなたも行きなさい…。この子達の事がやって来た事は取り消せない事だわ…。でもね、やっぱりクローンでも、
私の体から造られた【人間】なのよ。』
和樹はユックリその場から離れて、そして碧木達の後を追って行った。
マリアは和樹の後ろ姿を見送るとワイヤーから手を離した。
そして、アーサーの髪を優しく撫でて言った。
『アーサー。あなたにも仲間が出来ていれば、こんなことにはならなかった生き方が、出来たかもね…。
あんな実験では無く、ちゃんと産んでいれば違ったかもね…。
ごめんね…。私は子供が出来ない体だったから、せめてクローンでも良いから、子供が欲しかったの…。
ごめんね…。ご………』
マリアの手がアーサーの頭から滑り落ちた。
二人は剣で繋がったまま、その場で2度と動かなくなった…。
『マリアから全部聞いたよ。お前とマーニーがマリアのクローンだってな。』
アーサーが初めて眉間にシワを寄せて和樹を睨みながら言った。
『そうさ。俺とマーニーはマリアの細胞から造られたクローンだ。しかし、それが何だ?
紛い物ではない!!俺やマーニーはオリジナルのマリアより優れていると皆が言った。
俺たちの方がオリジナルより褒め称えられたんだ!!』
『それは違うわ。』
声が何処からともなく聞こえた。
その声にアーサーは辺りを見回した。
スッとアーサーの首にワイヤーが引っ掛かると同時にマリアがアーサーの背後に上から降りてきた。
マリアはアーサーの首に巻き付いたワイヤーに少しずつ力を入れた。
アーサーはもがいて、ワイヤーを外そうとしながら叫んだ。
『お前を殺せば、俺がオリジナルになるんだ。俺やマーニーはオリジナルのお前の存在が疎ましかった!』
マリアは力を緩めず、和樹に言った。
『来るのが遅くなってしまった。ごめんなさい。そこのお嬢さんは大丈夫?』
碧木とキャットは目を疑った。
マーニーにそっくりの姿形をしていたからだ。
マーニーが大人になったらこうなるだろうと思う様な外見…。
碧木がやっと答えた。
『出血が酷い。』
修利は和樹に聞いた。
『これはどう言うことなんだ?』
和樹は答えた。
『言った通りさ。アーサーとマーニーはマリアから造られたクローンだったのさ。
キャット達は試験管ベビーだが、アーサー達はクローンだったのさ…。』
和樹は哀れんだ目でアーサーを見た。
その目を見たアーサーはワイヤーの食い込んだ首をもがきながら叫んだ。
『そんな目で見るな!!俺達はオリジナルより優れているんだ!!』
マリアが静かに言った。
『そうね…。あなた達はそう言い聞かせられて育てられ、持て囃された。
実験は成功と言われたわ。でもね…。それは間違いなのよ。
もう、疲れたでしょう?眠りなさい…。私が一緒に付いているから。私に還りなさい。』
アーサーはもがくのを止めた。
ソッと手を離し、持っていた剣で自分の腹部をマリアごと貫いた。
『マリア!!』
和樹は叫んだ。
『いいの!!これでいいの!!』
マリアが叫んだ。
アーサーは初めて、安らぎを知った穏やかな声でマリアに言った。
『マーニーが死んだんだ。僕はマーニーを見捨てたんだ。でも、何も感じなかったんだ…。
写真を見たんだ。マーニーとあんたが写っているたった1枚の写真…。
マーニーはあんたの事を知らなかったんだ…。写真を見たら、胸が痛んだ…。
あれが苦しいって言う事なのか…?』
アーサーとマリアは剣に貫かれたままユックリその場に座り込んだ…。
マリアはワイヤーを引き寄せ耳元で優しく語りかける様に言った。
『そうよ…。大切な人が死ぬとみんな、その死を悼むのよ。それが悲しみと言うものなの…。
さぁ、もう苦しまなくてすむように眠りなさい…。』
マリアはワイヤーに力を込めた。
アーサーはダラリと力が抜けた人形の様になって、動かなくなった…。
俺はマリアに近づこうとした。
『来ないで。』
マリアが俺を止めた。
マリアが俺を見て微笑んで言った。
『私達はこのままでいいの…。あなた達は本部に行って。そして、ジョナサン・バンクを倒して。お願い。
ここから真っ直ぐに行けば姿を見られずに、本部に行ける様にカメラを全て壊しておいたから…。
ごめんなさいね…。アーサー達はただ、無知だったの…。人の痛みを取り除かれた哀れな私のクローン…。
せめて私が一緒に最期まで側に居るわ…。』
俺はその場で動けなかった…。
碧木はキャットを立たせて、修利がキャットに肩を貸して、本部へ進んでいった。
マリアはもう一度笑って俺に言った。
『あなたも行きなさい…。この子達の事がやって来た事は取り消せない事だわ…。でもね、やっぱりクローンでも、
私の体から造られた【人間】なのよ。』
和樹はユックリその場から離れて、そして碧木達の後を追って行った。
マリアは和樹の後ろ姿を見送るとワイヤーから手を離した。
そして、アーサーの髪を優しく撫でて言った。
『アーサー。あなたにも仲間が出来ていれば、こんなことにはならなかった生き方が、出来たかもね…。
あんな実験では無く、ちゃんと産んでいれば違ったかもね…。
ごめんね…。私は子供が出来ない体だったから、せめてクローンでも良いから、子供が欲しかったの…。
ごめんね…。ご………』
マリアの手がアーサーの頭から滑り落ちた。
二人は剣で繋がったまま、その場で2度と動かなくなった…。