gardenquartz　小さな楽園
『何処から話せばいいかな…。』
ディーンは少し黙って記憶を辿っている。
そして、独り言のように、確かめる感じで話始めた。


『俺とジョナサンは俺がガキの頃に知り合ったんだ。奴の親が俺の家系と同じ、傭兵あがりでな…。
奴の親は死んじまって…。俺のじいさんが奴を引き取ったんだ。
俺等は何時も連んでいた、同じくらいの年だったのに、奴はもうイッパシに銃を扱えていた。
俺はその頃、家系が代々続く傭兵なのが気に入らなくてね…。面倒を見ていたじい様に逆らってばかりいた。
奴は、もう自分の運命を受け入れ見事に溶け込んでいたよ。
俺は、その潔さに嫉妬した半面憧れていた。
そんな日々を送っていたある日、ジョナサンの母親と名乗る女が、奴を無理矢理引き連れて行っちまった。
俺はその日、自分の運命を受け入れた。
そして、何時か会えると、何処かで期待していたんだ。』



ディーンは目を細目、自分の記憶を辿るように続けた。



『やがて俺も一人前の傭兵になり、毎日毎晩命の駆け引きを繰り返していた。
その時はもう、ジョナサンは違う道を歩んでいた。
奴は母親と名乗る女に連れていかれたその日に、金持ちの武器商人の家に売られてれた。そこで何があったのかは俺は知らないが、ジョナサンの歪んだ思考はその時期にあったと思う。
武器商人と俺等傭兵は切っても切れない繋がりだからな、自然とジョナサンの噂話は耳に入っていったよ。
そして、何故か俺を探し回っている事も耳に入った。
俺は懐かしさから、自分から奴に会いに行ったら、命を取られそうになった。
それからは俺は奴から隠れる様に生きて、奴の行動を見張っていたら、このゲームを始めたんだ。
そこで奴は碧子を見つけ出し、俺同様に手に入れたいと強く思ってしまった。
俺は奴から逃げるのを辞めて、奴と決着をつける事にしたんだ。』



ディーンは話終えると、煙草に火を着け溜め息と一緒に煙を吐いた…。







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