gardenquartz 小さな楽園
憎しみの向こう側
アルフレッドと碧子、修利は徐々に制圧しながらモニター室に向かっていた。
碧子は感心していた。
修利親子の息がピッタリなのだ。

お互い援護やタイミングが絶妙だった。


それは碧子だけが感じたのではない。アルフレッド、修利が同じく感じていた。
特にアルフレッドに至っては、この感じはディーンと組んでいた以来無かった。
自分はクセが強いので、こんなに気持ちよく、事が進むのはディーンしか居ないと思っていた。


3人はあっという間に2階を完全に殲滅して、1階の階段付近まで進んでいた。


アルフレッドは修利の首に下がっているネックレスを見て、言った。
『それはディーンから貰ったヤツか?』

修利は1階の様子を見ながら答えた。

『あぁ。和樹と一緒に貰ったもんだ。』

アルフレッドはニヤリと笑い言った。
『お前、その意味分かって貰ったのか?』


修利はアルフレッドを見て、言った。
『いや。知らない。どんな意味があるんだ?』


アルフレッドは自分の首から取り出した。
ドッグタグと一緒に修利と同じ物が付いていた。

『オヤジも貰ったのか?』

アルフレッドは銃を階段下に撃ちながら答えた。
『あぁ。ヤツが心から信頼した奴にしか渡さない、奴の手製の銀の弾丸だ。コイツは断層が特殊な作りでな。撃っても足がつかない代物なんだ。
奴を殺すときはそれを自分に撃ち込めって意味さ。』


修利は驚き言った。
『俺達がディーンを殺すなんて有り得ない!!』


アルフレッドは笑いながら言った。

『だろう?だからさ。奴なりのジョークを含んだギフトだ。大事にしろ。人からそこまで信頼されている事がどんなに大切かわかるだろうさ。』


修利はディーンから貰った銀の弾丸を握りしめながらアルフレッドに頷いた。

アルフレッドは笑って修利の頭をクシャリと撫でた。


碧子が声をかけた。
『階段下まで一気に行くわよ!』

その声でアルフレッド、修利は碧子の援護をしながら走りだし階段下まで進んだ。
碧子は脚の傷の痛さを我慢して階段を下りていった。


アルフレッドが碧子と修利に言った。
『1階からは爆弾は使うなよ。ディーンの仕掛けがあるからな。爆弾でディーンのオモチャが作動したら、全員この世とおさらばになっちまう。』


2人は頷いた。


さぁあと少しだ。







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