gardenquartz 小さな楽園
どの位飛んでいたのか、分からない。
俺達は疲れていた。
疲れきっていた。しかし、目はやけに爛々としていて、眠れなかった。


俺は横に居る碧さんに視線を移した。
下を向いていたが、俺の視線に気付くと、ニコリと笑みを浮かべた。


修利を見た。
アルフレッドとずっと喋っていた。
早口の英語だったので内容は所々しか分からなかったが、親子の離れていた時間を取り戻すかの様に2人は喋っていた。


キャットを見た。
呆然とした様な、憔悴と言うか、虚ろな目で外に広がる海を眺めていた。

『キャット…。大丈夫か?』
俺はキャットに声をかけた。


キャットはゆっくり俺に視線を向けるとコクりと頷くだけだった。




俺はあの島の出来事をずっと考えていた。
非現実的に思ったのは、ただ俺が知らなかっただけで、現実に存在することだらけだった…。
あのまま、ゲームに参加しなかったら、
大人になった俺は何も知らない馬鹿な大人になっていたんだろか?

確かに世の中知らない方が良いこともあるかもしれない。
だが、俺は真実を知りたい。

俺はこれからも色んな真実を知りたいと思った。
それがどんなに残酷で悲惨な事でも、それから逃げず、この目で確りと見つめ、それを忘れちゃいけないと思った。


外は真っ青な海が何処までも続いていた…。








< 163 / 184 >

この作品をシェア

pagetop