gardenquartz 小さな楽園
修利の家に着くと、外にも漏れる位大騒ぎで、俺の方が心配になったが、時々笑い声が聞こえて、まるでホームドラマみたいだな。

呼び鈴を鳴らすと、修利の大きな声が玄関に近付くのが聞えてきて笑えた。

『よぉ!!入ってよ。』

修利がはしゃいで俺を家に引っ張り込んだ。
俺は慌てて靴を脱ぎ、お邪魔します。と誰も聞いちゃいないが、言って修利の声のするリビングに向かった。


物凄い光景を見た。
修利のオフクロさんは半分笑いながら、半分怒って、アルフレッド、修利のオヤジさんに詰めよって早口の英語で捲し立てて、それをひたすら謝ってるオヤジさん。
2人の間に入ってなだめてる修利。


3人とも早口の英語でまるで単語の嵐が吹き荒れてる感じがした。


アルフレッドが俺を見て。飛んできていきなり俺をハグしてベラベラ喋りだした。
俺は必死でアルフレッドのガッシリした腕から逃れて、単語のシャワーに呆然としていた。


修利がオヤジさんに何か話して、やっと俺があまり英語が喋れない事に気がつき、謝ってきた。
俺は苦笑いしながら返事をした。


オヤジさんは修利のオフクロさんに何か話して修利を通訳にするために修利の部屋に3人で話すことになった。


修利の部屋に向かうときオフクロさんを見たら。泣いていた。
嬉し涙を流していたんだと分かった。
ずっと、待っていたんだもんな…。


修利の部屋に入ると、アルフレッドは真剣な表情になった。
テーブルに座り修利が口を開いた。

『俺はオヤジの言葉をそのままお前に伝える。
まぁ。話の内容はお前が来る前に大体は聞いていたけどな。』


そう言って、煙草に火を着けた。
俺もアルフレッドも煙草に火を着けた。
修利が窓を開けた。夜風が部屋に入ってきた。


切り出したのは俺だった。
『話って何の事?』

修利はオヤジさんに伝えた。
オヤジさんは暫く考えていた。

それからゆっくり喋り始めた。






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