gardenquartz 小さな楽園
四人で他愛もない話をして過ごした。
仲間と話すのは嫌なこと全部忘れさせてくれる。

絵梨佳がドリンクを取りに席を立ったとき後から俺もドリンクバーに行った。

そして並んだ時小声で言った。
『絵梨佳。俺等日曜日から1週間位この街から消える。多分連絡も出来なくなる。でも、心配するなよ。俺等の帰る街はここだから。』


絵梨佳は無表情になり氷をグラスに入れていたが、氷を持つトングが震えていた。

『帰ってくるんだよね?』

俺はハッキリと言った。

『あぁ。絶対帰ってくる。そんときオマエ修利に気持ち伝えろよ。
修利の事好きなんだろう?
俺はオマエも修利も大切な仲間だと思ってる。
オマエなら修利と似合いになると思うからさ。』

絵梨佳はフッと笑い俺を見て言った。
『ありがと。私はこの街であんた等が帰ってくるのを待ってるよ。』

絵梨佳が先に席に戻って言った。

俺はアイスコーヒーを入れながら絵梨佳がボロボロになったある夜を思い出していた。

俺が修利と別れて家に帰ろうと駅に向かうとき電話がなった。
絵梨佳だった。
出ると今にも消えそうな声で喋った。

『た…たすけ…て…。』

俺は途切れ途切れの絵梨佳を励まし、居所を聞き出し、ダッシュして絵梨佳の居る公園に向かった。

追い討ちをかけるように雨が容赦なく降り始めた。

公園に着くと絵梨佳は遊具のトンネルの中でボロ雑巾の様な姿でうずくまっていた。



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