gardenquartz 小さな楽園
そんな事をふと思いだした。
そして席で修利の横で笑ってる絵梨佳を見た。


飲み物を持って席に近づくと、那緒と言う女の子が立ち上がって席に通してくれた。
『ありがと。』

那緒は照れ笑いをしたみたいだった。


絵梨佳が修利をからかっている。
修利も絵梨佳の過去を知っている。
そして、絵梨佳のオヤジをボコボコにしたのは修利だった。


そんな事を思い出してたら絵梨佳が俺の鼻を指でツンとつついて言った。

『コリャア。和樹。何ボーッとしてんのよ!』

俺はハッとして絵梨佳の顔を見てニヤリと答えた。

『ひと夏のアバンチュールの事だよ。』


修利も話に乗ってきた。
『ひと夏で何人出来るか、かけるか?』


絵梨佳はキャッキャッはしゃいだ。
那緒はリアクションに困ったらしい。

絵梨佳が言った。

『那緒。こんなスケコマシ放っといて行こっか。』そして俺達に向かって言った。

『ご馳走さま~。私は二人ともスカンピンに賭けるわ。』


チャッカリしてる。


俺は絵梨佳に『じゃあな。』と声をかけて二人が店を出て行くのを見送った。


修利はポツリと言った。
『絵梨佳ってホントに良い子だよな…。』


『だからお前に任せるんだよ。』俺は修利のすねを小突いた。


このゲーム勝たなきゃ。
イヤ。
必ず勝つ。


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