gardenquartz 小さな楽園
『俺にも煙草くれ。』
俺は左の内ポケットから煙草を取り出し修利の胸の上に放り投げた。

修利は煙草をくわえて持っていたZippoで火をつけた。

『ここに来るのに息切れする位大変なのに、よく来るな。』
修利も仰向けになって雲を眺めながら言った。

『俺は外が好きなんだよ。』

修利はまじまじと俺を見て、そして溜め息混じりに言った。

『お前読モとかしないの?この前スカウトされたんだろ?』

俺は煙草を床で揉み消しながら答えた。
『めんどくせーからやらない。お前だって声かけられたんだろ?』

『まぁな。』

俺は改めて修利を見た。
タッパは185cm、日焼けした様な褐色の肌に明るいブラウンの髪がライオンのたてがみみたいになっているが顔が甘い作りで鼻が高く笑うとそれだけで落ちる女が山ほどいるマスクだ。

俺も負けてはない。
タッパは180cmで髪はアッシュ系。二重の瞼だが切れ長で、クールな感じ。

正直2人でいて女に困った事は一度も無い。
でも、女は面倒臭いから深入りしない。
こんな対照的な2人だから、逆に馬が合うのかもしれない。

< 3 / 184 >

この作品をシェア

pagetop