gardenquartz 小さな楽園
どの位時間が過ぎたんだろう。
バイクの音が聞こえてきた。チャンバーが改造してある独特の音で分かる。修利だ。


俺はベッドから立ち上がり玄関に向かった。
ドアを開けると、丁度修利がメットを脱いでいた。
俺は目を見張った!

修利の髪はド金髪になっていたからだ。
確かに似合う。てか金髪にすると見た目外国人に見られる。
元々ハーフだから金髪の方が自然に見えるけど。

修利は得意気に言った。
『どうよ?』

俺は溜め息をついた…。

『お前、それは目立つだろう~。』

修利は俺の言葉なんて気にしていない。
金の髪を後ろに流して整えて言った。
『オフクロ。この髪みたらオヤジみたいだって言ったんだ。』


俺は修利の父親の写真を見たのを思い出した。
色褪せたその写真はまるでモデルみたいな格好いい男がタンクトップにアーミーズボン姿で金網に寄りかかり煙草をくわえてた。
後ろには滑走路に飛行機が写っていた。

確かに修利に似ている。
まぁ。こっちはチッとばかし幼い顔だけど。

修利はアーミーバッグみたいのを背中に背負ってきた。

『それ、どしたんだよ。』

メットをしまいながら修利はさらりと答えた。
『オヤジの残していったモノ。部屋で中身も見せっから。』

俺は少し不安になった。こんな時の修利はあんまし俺にとっては良くない事が起きるんだよねな~。

< 33 / 184 >

この作品をシェア

pagetop