gardenquartz 小さな楽園
約束までの時間を30分切ったので俺達は碧さんの店に向かった。
店の前に碧さんが立っていた。

俺はその出で立ちに目を奪われた。

髪は三つ編みを後ろにして、黒いキャップに黒のインナーにカーキ色のシャツ、ブラックジーンズに編み上げのブラックブーツ。
店の扉の横に寄りかかって煙草を吸ってた。
何か外国の映画のワンシーンみたいに格好いい!!

ソコに如何にもって感じの若い男が二人碧さんに声をかけて来た。

碧さんは全く相手にせず、煙草の煙を男達に吹き掛けた。
男達はムカついたらしく碧さんに掴みかかろうとした時、碧さんはその手を素早く掴み後ろに捩り込むと背中を蹴った。

男は前につんのめして倒れた。
もう一人の男がそれを見てマジになりそうだったので、俺は声をかけた。

『お前ら、何やってんの?』

男は俺達に目をやってたじろいたのが分かる位のリアクションをした。

俺と修利は獲物を見つけた獣のようにスルリ、スルリと近づいていった。

男は倒れている男の腕を掴み逃げた。


碧さんはニコリと笑いながら俺達に声をかけた。
『来たわね。見てたの?』

俺達はニヤリと笑った。
『見てたよ。』

碧さんは照れた顔になり店の扉を開けて言った。
『いらっしゃい。』


俺達は重い扉の中に吸い込まれた。








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