gardenquartz 小さな楽園
私は体の回復をされるがまま受けた。
もう抵抗はしなかった。


男は時々やって来ては様子だけ見て消えていった。

私は心では何時か男へ仕返しを考えていた。


やがて、体は回復したわ。


そして、鏡張りの部屋からやっと出れた。
でも、そこは更に私を追い込んだ。

私は窓の無い部屋に案内された。

そこは固定されたベッドと壁に埋め込まれたテレビ、扉は厚い鉄の扉で刑務所みたいだった。

扉の鍵が開き、男が入ってきた。
私はベッドに座り男が椅子に座るのを睨んでた。人を信用していなかった。

男が静かに何の感情も持たずに口を開いた。


『お前の死亡記事だ。』
新聞を私の膝に放り投げた。


私は新聞を読んだ。日付は強盗を起こした次の日で。私は死んだことになっていた。

呆然とする私に男が口を開いた。

『もう、お前はこの世には居ない存在だ。お前をどうしようと我々の勝手だ。』

『我々?』

男が頷いて話を続けたわ。

『別人になりたくは無いか?』

私は混乱した。

『拒否したら?』

男は無表情で答えた。
『ゲームの的になり死ぬ。』


『ゲーム?』

『War gameだ。』

私はベッドに寝転んで答えたわ。
『私は奪われる位なら奪う側に回るわ。』

男はニヤリと口元だけ笑い言ったわ。
『交渉成立だな。では、明日からソルジャーの訓練を受けてもらう。』

そう言うと、部屋から出てったわ。


それから地獄が始まった。

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