gardenquartz 小さな楽園
軽く、テントを覗いて見たが、俺達が納得出来る奴は居なさそうに思えた。

俺と修利は半分諦めていた。

その時、テントの1つで人が騒いでる。
俺達はその騒ぎのテントに向かった。



テントの中で2メートル位ありそうな男と小柄なフード付きマントを纏った奴が向かい合って、間合いを取っていた。

野次馬達はやりあうのを煽っている。

俺達はその二人の事を静かに眺める事にした。



最初に動いたのは大男だった。
素手でマントに覆い被さる様に向かっていった。
マントは素早くしゃがみこみ、自ら男の隙が出来たボディに素早く何かを打ち込んだ。


『ウッ!!』大男はモロにボディに食らったダメージで白目を向いて地面に倒れた。


俺と修利は顔を見合わせた。
そして、後ろに居る碧さんの顔を見た。
碧さんは笑いながら頷いた。


大男は何処かに運ばれていった。
テントの中では早くもスカウトの声がアチコチから飛び交って、何とかマントの奴をチームに入れたがって大騒ぎになっている。

俺達もその群れの中に負けじと入ろうとしたら、何かがマントに向かって飛んできた。


マントの奴は飛んできたモノをひょいと避けモノが飛んできた方向に顔を向けた。
俺達もその方向に目を向けた。
ソコには碧さんが腕を組み立っていた。


マントの奴はゆっくり碧さんに近づいて歩き出した。
人垣が割れた。
俺と修利は息を飲んだ。


碧さんは一歩も動かず、マントの奴が来るのを待っていた。

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