gardenquartz 小さな楽園
昼食を食べ終わり、修利が帰ると言い出したので、俺も便乗した。

俺達の通っている学校は都心のド真ん中の
渋谷にあるので、そのまま街で遊べる。
俺のダチは本来この渋谷で遊んでる奴らだ。
見た目は厳ついが、みんな良い奴等だ。

『今日は早いじゃん。』
ハスキーな声が聞こえた。
絵梨佳だ。
振り向くと、へそが丸見えのTシャツに半分ヒップが見えるパンツに金の細いアンクレットをして、スニーカー。
髪は串みたいな棒を刺してアップにまとめている。

絵梨佳の学校は通信制なので、滅多に学校には行かなくて良いし、制服も無い。

『よぉ。お前も早いじゃん。』
俺は絵梨佳が握り拳を差し出した拳に拳を軽くつけ挨拶を交わした。

『バイトの面接しに行くところだからね。ノブ。こんちは~。』

修利は慌てて俺の真似をして拳と拳を合わせて挨拶をした。

絵梨佳は修利を気に入っている。
絵梨佳もハーフだからかもしれない。
絵梨佳は母親がフィリピン人、父親が日本人だが、母親は絵梨佳が幼い頃、家を飛び出し行方不明になった。
父親との仲は最悪で、家出をするまで四六時中顔や身体に青紫の痣があった。
今は渋谷の近くの一軒家のシェアハウスで共同生活をしている。
でも、何時も笑ってる気のいいヤツだ。
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