gardenquartz 小さな楽園
俺達はコテージを出て、野外テントに設置されたビュッフェレストランへと向かった。

テントに着くと俺達の回りには誰も近寄らず、好奇の目と、ひそひそ話が辺りを覆った。
俺達は堂々と臆することなく、食事を楽しんだ。
テーブルを囲み、俺達は他愛もない話に笑っていると、SPが一人碧さんの所に来た。

スーツの内ポケットから手紙を取り出すと、碧さんの所にスッと置き、一礼して去っていった。


碧さんは小さな溜め息を付いてその手紙をヒップポケットに捩じ込んで、食事を再開させた。

俺はその手紙が物凄く気になったが、碧さんの憂鬱そうな顔を見ると、あまり好ましくない人物からのものらしい。
さっき、ディーンが言ってた本部の奴の手紙だろう。


キャットがサラダをつつきながら、小さな声で呟いた。

『和樹、修利。アンタ達初めての参戦なのに、いきなりファイナル戦を味わうのね。後で、レクチャーしてあげる。』


ディーンもローストビーフを口に運びながら言った。

『坊や達は街ではちょっとは出来た体つきをしてるな。俺も、後でキャットとは違うレクチャーをしてやる。』


碧さんは憂鬱な顔をしていたら、ディーンが諭すように言った。

『オチビちゃん。今に始まった事では無いだろう?奴がオチビちゃんを簡単に手放すわけ無い事ぐらい想定内だ。受けて立て。』


碧さんは憂鬱そうな顔で空を見上げた。



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