gardenquartz 小さな楽園
俺達は食事を終えると、コテージ前の砂浜に戻った。
碧さんは手紙を読んだ後SPを呼びつけ、本部へ向かったらしい。
砂浜は白くて美しくサラサラとしていた。
キャットは俺達に戦い方を教えてくれた。
初めは、砂浜に足を取られて、スタミナが持たなかった。
それを上手くキャットはどうすれば、砂の抵抗を最小限に出来るかをレクチャーしてくれた。
身のこなしも素早くこなせる様になっていった。
キャットは嬉しそうに俺達に言った。
『アンタ達、飲み込みが早くて良かった。どんくさかったら骨の1本も折ってやろうかと思ってたけど。合格よ。』
キャットのレクチャーをコテージの階段で座りながら見ていたディーンが、徐に立ち上がり俺に声をかけた。
『おい。坊や。俺とこれから夜空でも見に行こうか。』
俺は頷いた。
修利はそのままキャットにレクチャーを教えて貰っていた。
俺はディーンの横に並んで歩いた。
夜空の月の明かりに照らされたディーンの横顔はやっぱり、孤高の獣の様な感じがした。
俺はディーンには叶わない…。
未々ひょっこで、無知だった。
ディーンが口を開いた。
『坊や。オチビちゃんとは何処で知り合った?』
俺は慌てて答えた。
『日本で碧さんがやってた店に偶然行ったのが、始まりです。』
ディーンが目を細めて言った。
『オチビちゃんは笑って幸せそうかい?』
俺はキョトンとしながら答えた。
『よく笑って、明るく、店を切り盛りしてますよ。何故ですか?』
『俺はオチビちゃんが心から笑った顔を見たことが無いからな。
初めて、ソルジャーとして俺の目の前にやって来たときは、とんでもないじゃじゃ馬が来たと思ったよ。実際じゃじゃ馬何てもんじゃない。
手のつけられない野性馬だった。オチビちゃんを手懐けるのに苦労した。』
ディーンは口の端を少しだけ上げて笑った。
『このゲームを主催し、オチビちゃんを手に入れようとしている奴は、金で何でも良いなりに出来ると思っている大馬鹿野郎の腐った奴だ。名前はジョナサン・バンクって野郎だ。』
ディーンは草むらにソッと入っていった。
振り返りながら俺に言った。
『俺の歩いた後をソッと歩いて来い。そこらじゅうにトラップがあるから気を付けろよ。』
俺は細心の注意を払い、ディーンの足跡をソッとついて歩いた。
ディーンが小声で言う。
『良いか坊や。音には二種類ある。危険な音か、そうでないかだ。風の音はどうだ?』
『風の音は安全…。』
ディーンは前を向いたまま言った。
『正解だ。ただし、風の匂いに気を付けろよ。人間は使わないと、どんどん鈍感になる。
全ての感覚を研ぎ澄ませろよ。ここではそれが、生き延びる為に大切な事だからな。』
俺は黙ってディーンの言うことを頭に叩き込んだ…。
ディーンの足が止まった。
後ろ手で俺に側に来いと手招きした。
俺はソッとディーンの横に並んだ。
SPが5メートル位の間隔で屋敷を取り囲んでいる。
ディーンが呟く。
『ここが、今回の本部だ。』
この中に碧さんが居る。
ディーンが上を指差した。
上を向くと俺はゾッとした。
有刺鉄線が張り廻られて頭上にぶら下がっていた。
ディーンは物音1つ立てず後ろに下がった。
俺もディーンに続いた。
ディーンの目は暗闇でも全く迷うことなくまるで見えているかの様にスッスッと草むらのトラップを避けて来た道を戻った。
碧さんは手紙を読んだ後SPを呼びつけ、本部へ向かったらしい。
砂浜は白くて美しくサラサラとしていた。
キャットは俺達に戦い方を教えてくれた。
初めは、砂浜に足を取られて、スタミナが持たなかった。
それを上手くキャットはどうすれば、砂の抵抗を最小限に出来るかをレクチャーしてくれた。
身のこなしも素早くこなせる様になっていった。
キャットは嬉しそうに俺達に言った。
『アンタ達、飲み込みが早くて良かった。どんくさかったら骨の1本も折ってやろうかと思ってたけど。合格よ。』
キャットのレクチャーをコテージの階段で座りながら見ていたディーンが、徐に立ち上がり俺に声をかけた。
『おい。坊や。俺とこれから夜空でも見に行こうか。』
俺は頷いた。
修利はそのままキャットにレクチャーを教えて貰っていた。
俺はディーンの横に並んで歩いた。
夜空の月の明かりに照らされたディーンの横顔はやっぱり、孤高の獣の様な感じがした。
俺はディーンには叶わない…。
未々ひょっこで、無知だった。
ディーンが口を開いた。
『坊や。オチビちゃんとは何処で知り合った?』
俺は慌てて答えた。
『日本で碧さんがやってた店に偶然行ったのが、始まりです。』
ディーンが目を細めて言った。
『オチビちゃんは笑って幸せそうかい?』
俺はキョトンとしながら答えた。
『よく笑って、明るく、店を切り盛りしてますよ。何故ですか?』
『俺はオチビちゃんが心から笑った顔を見たことが無いからな。
初めて、ソルジャーとして俺の目の前にやって来たときは、とんでもないじゃじゃ馬が来たと思ったよ。実際じゃじゃ馬何てもんじゃない。
手のつけられない野性馬だった。オチビちゃんを手懐けるのに苦労した。』
ディーンは口の端を少しだけ上げて笑った。
『このゲームを主催し、オチビちゃんを手に入れようとしている奴は、金で何でも良いなりに出来ると思っている大馬鹿野郎の腐った奴だ。名前はジョナサン・バンクって野郎だ。』
ディーンは草むらにソッと入っていった。
振り返りながら俺に言った。
『俺の歩いた後をソッと歩いて来い。そこらじゅうにトラップがあるから気を付けろよ。』
俺は細心の注意を払い、ディーンの足跡をソッとついて歩いた。
ディーンが小声で言う。
『良いか坊や。音には二種類ある。危険な音か、そうでないかだ。風の音はどうだ?』
『風の音は安全…。』
ディーンは前を向いたまま言った。
『正解だ。ただし、風の匂いに気を付けろよ。人間は使わないと、どんどん鈍感になる。
全ての感覚を研ぎ澄ませろよ。ここではそれが、生き延びる為に大切な事だからな。』
俺は黙ってディーンの言うことを頭に叩き込んだ…。
ディーンの足が止まった。
後ろ手で俺に側に来いと手招きした。
俺はソッとディーンの横に並んだ。
SPが5メートル位の間隔で屋敷を取り囲んでいる。
ディーンが呟く。
『ここが、今回の本部だ。』
この中に碧さんが居る。
ディーンが上を指差した。
上を向くと俺はゾッとした。
有刺鉄線が張り廻られて頭上にぶら下がっていた。
ディーンは物音1つ立てず後ろに下がった。
俺もディーンに続いた。
ディーンの目は暗闇でも全く迷うことなくまるで見えているかの様にスッスッと草むらのトラップを避けて来た道を戻った。