gardenquartz　小さな楽園
キャットは碧木（みどりこ）の動作をジット観察していた。

キャットがアノ施設時代に、事あるごとに【碧木は…………】と引き合いに出されて、キャットは見たことの無い、幻の碧木と比べられて、悔しさや、妬み、そして憧れていた。

その人物が今、自分の目の前に居るのだ。
無駄な動きは一切無い。そして､隙が全く無い。
しかし､それを相手に見せない様にしている。
普通の人間が見ただけじゃ分からないだろう。
碧木が常に戦闘態勢で動いている事など…。
この人はどんな生き方をして、何を求め、何を考えているのだろう？


キャットの好奇心を掻き立てる。
しかし、下手なことを言えない。


きっと碧木は虫も殺さない様な笑顔を見せながら、次の瞬間、人の息の根を止めるだろう。
キャットは身震いした。


碧木がキャットの身震いを見逃さず、キャットに言った。

『大丈夫よ。私はあなたを敵とは思っていないわ。』


キャットは急に恥ずかしさが込み上げた。


碧木は手を止めてキャットが座っていたベッドの隣にスッと座り話しかけた。




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表紙・目次

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